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林間学校

第5章 綾音と不思議な世界

早朝4時ぐらいに翔太は起き出した。
持ってきた小型の目覚まし時計は必要なかった。
夕べあんなことがあったので殆ど眠れなかったのだ。

女風呂を覗くなんて本当に卑劣で最低なことをしたと思うし、それに比べれば大勢の女子の前で裸にされたことぐらいどうということはない。むしろそれで許してもらえたことには感謝しなければならない。

首の皮一枚、犯罪者になってママちゃんや聖良を泣かせることだけは免れた。

でも・・あの場にはクラスの女子はほぼ全員いたんだよな。女子たちにはチンコ見られちゃったんだよな。これからどんな顔をして女子たちと接していけばいいのだろう・・。

それにしても、綾音は超不機嫌そうな顔をしていたな。絶対怒ってたよな、絶対嫌われたよな。

どうしてあんな愚かなことをしてしまったのだろう。あんなことさえしなかったら・・。後悔先に立たずとか覆水盆に返らずという言葉が重く翔太にのしかかっていた。

そんなことをあれこれと考えていると眠れなかったのだ。

ふと共犯の、いや、すべてを企んだ首謀者の比呂志を見ると大いびきをかいて爆睡してやがる。
あんなにしょぼくれてたのに、あんなに涙を流してたのに大いびきをかいて爆睡とは神経がず太いのか、楽観的なのかうらやましい限りである。

しかも比呂志のヤツは股間に威勢よくテントなんて張ってやがる。あんなにしょぼくれていたのに・・。よく見ると爆睡している男子のほとんどは股間に威勢よくテントを張っている。部屋を見渡してみるとあちこちにテントが張られていてまるで小さなキャンプ場のようでもある。

朝勃ちというこの現象は男子として生きていくためには避けられないことなのであろうか。

翔太は自分の股間に手を当ててみるとピクともなっておらずしょぼくれていた。毎朝毎朝イヤになるぐらいに硬くなっているのに・・。
本当に反省したからしょぼくれてしまっているのか、だったらずっとしょぼくれていてほしいと思った。

コイツさえ静かにしていてくれたら硬くなった時の痛みや苦しみも、オナニーなんかをして罪悪感に苦しむこともないのにと思ってしまう。

実は朝勃ちという現象はぐっすり眠っている時に起きる現象なので今の翔太みたいに眠れもせずにくよくよ考えている状態では起きるはずもないのであるが・・。

「う、う~ん、ぐおがぁ~っ」

比呂志は怪しげで豪快な寝息をたてる。

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