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Nectar

第10章 始まり

ー蓮sideー

ラストステージ。

今日が終わると少し楽になる。

あと10日もすれば地方でのチャリティーコンサートが終わって休暇に入る。

愛梨とのスペイン旅行。



ラストステージも無事に終わり、来月に迫ったコンサートの打ち合わせ兼レッスンが終わった頃にはとっくに日付が変わっていた。

急いで愛梨のうちに向かって、ソーッと鍵を開けて中に入る。

寝ているであろう愛梨を起こさないように寝室のドアをゆっくり開けると、布団がモゾモゾと動いた。

愛梨「蓮…?」

蓮「ごめん、起こした?寝てて良いよ?」

愛梨「ううん。起きてたから大丈夫…」

明日も仕事なのにこんな時間に起きてるなんて珍しいな…

蓮「もしかして…俺が来るの分かってて待ってた?」

愛梨「バカ(笑)」

布団に入っている愛梨の枕元に軽く腰を下ろす。

蓮「これ…どうしたの?」

綺麗な指に数枚の絆創膏が巻かれていた。

愛梨「ん?…あぁ(笑)恥ずかしいんだけど…ボーッと料理してたら包丁で…」

蓮「いつもはそんな事ないくせに…愛梨ってたまにドジだよな。だから、ほっとけないんだけど(笑)」

セットされていないストレートでサラサラな髪を撫でた。

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