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Nectar

第11章 壊れていく

心待ちにしていた26日。

「なんか愛梨ちゃん楽しそう!」

ウキウキした気持ちを抑えつつ、残業にならないようにセッセと仕事をこなしていると先輩にそう言われた。

こっちに来てからたくさんお世話になった、看護師の夏海先輩。

愛梨「そうですか?(笑)今日は早く帰りたいんで先輩も早く仕事終わらせて下さい!」

夏海「あぁ~そっか、彼と旅行だ!いいなぁ~…」

愛梨「先輩には本当にお世話になってるのでちゃんとお土産買ってきますよ(笑)そんなんじゃ普段のお返しにはならないと思いますけど…」

夏海「何言ってんのよ!私は愛梨ちゃんが今みたいに笑顔見せてくれるだけでいいの。本当に可愛いんだから~(笑)」

夏海先輩は私の頬をキュッと抓んできた。

愛梨「いひゃい…」

離してもらった頬を撫でていると夏海先輩は楽しそうに笑った。

何があっても私の前に立ってくれて守ってくれる。

ふざけて笑わせてくれる。

本当にお姉ちゃんが居たらこんな感じかな…?

夏海「愛梨ちゃん、今日はもう帰りなさい。」

やりかけの仕事…

夏海「定時で上がりたかったんでしょ?(笑)今日だけは特別に残りは私がやってあげる。」

そう言ってくれた先輩に飛びついて、何度もお礼を言って病院を出た。

急いでシャワーをして軽くご飯を食べてから20時に家を出て空港に向かった。

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