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Nectar

第11章 壊れていく

ー愛梨sideー

座席が隣だった事には本当に驚いた。

蓮「あっ、すいません。毛布ください。」

最初から座席にセットされている膝掛けにアイマスク、スリッパまで…

それにわざわざ自分から言わなくても1人ずつ声かけに来てくれるのに…

だってファーストクラスだもん。

蓮「隣のお姉さんも寒そうなので2つください。」

えっ?全然寒くないけど…

ポカンとしている私にCAのお姉さんはニコッと笑ってすぐに2枚の毛布を持って来てくれた。

蓮「お姉さんも寒くないようにちゃんと掛けてください。」

その言葉に従って毛布を掛けると、重なり合った部分から手が伸びてきて私の手を優しく包んだ。

この為か…(笑)

特に周りのお客さんの目は気にならないものの、この便のCAさんは日本人。

バレるリスクだってあるのに、ここまでして手を繋いでくる蓮が愛おしくて繋いでいる手をキュッと握った。

すると親指で私の手を撫でてくる。

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