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Nectar

第11章 壊れていく

ー蓮sideー

コンサート初日が近づくにつれ、メンバーも周りのスタッフもピリピリムード。

それだけ今回の全国ツアーはグループにとっても事務所にとっても重要だと言う事。

1人1人にかかるプレッシャーも半端ない。

そしてメンバーみんなにそれぞれの思いがあって、ぶつかる事も少なくない。

今日だってそんな中でのレッスン。

でも今日は比較的早く終わるから、愛梨のところに行こうと思っていた。

たぶん今日を逃すと会えるのはコンサート後。

愛梨に会ってパワー貰いたいのに…

「おい、蓮。お前さぁ…」

解散が告げられ、誰もが帰る準備を始めた中、俺だけが呼び止められた。

たまにしか顔を出さない事務所の黒川専務。

ダンスや歌、ソロの演出にまでグチグチと文句を付けてくる。

疲れてるはずなのに間に入ってくれようとするメンバーたちは黒川専務に帰るように促された。

心配そうに出て行くメンバー達に「大丈夫」と目で伝えた。

「だいたいなんでお前がダンスの選抜組なわけ?わっかんないわー。」

…は?

お前に俺の努力が分かるわけないだろ。

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