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Nectar

第12章 胸の痛み

ー愛梨sideー

あっという間に迎えた11月19日…

コンサート初日。

土曜日だから仕事が半日で終わり、急いで家に帰って着替えると会場に向かった。

リサ「愛梨おっそい!もうグッズ買っちゃったからねー?」

愛梨「ごめんごめん!これでも急いだんだけど…」

マリ「はい、愛梨の分。」

朝早くから会場に来ていた2人は私の分のグッズも買っておいてくれた。

キッチリとお金を払って受け取る。

愛梨「じゃあ開場までどっかカフェでも行く?」

リサ「当たり前~、愛梨の奢りでね(笑)」

マリ「もちろんいつものとこでしょ?(笑)」

公園を出て、すっかりお馴染みとなった隠れ家っぽい喫茶店に向かった。

コンサートがある日でもあまりお客さんが居ないそこで時間を潰して、ゆっくりめに入場して、開演ギリギリにそれぞれの席に付く。

それが私たちのいつものパターン。

“誰がどんな神席でも恨みっこなし”って言って私たちはいつも各自でチケットを取っていた。

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