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Nectar

第12章 胸の痛み

「もしかして愛梨さん…ですか?」

暗くなってオープニングの映像が流れ始めると隣に長身の男の人がやってきて、声をかけられた。

愛梨「あっ、蓮の…」

友達の奏多(かなた)さん…

彼もまた蓮たちと同じ事務所に所属するアイドルだ。

奏多「蓮の言ってた通りだ(笑)」

蓮…

いったい私の事をどんな風に話したの?





今日も順調に進み、あっという間にアンコール。

昨日と同じく、やっぱり蓮を見ながらモヤモヤしてしまう私。



奏多「じゃあ僕そろそろ行かないと…愛梨さんも行くでしょ?」

…え?

奏多「楽屋。行きましょう。」

そう言われて慌てて荷物を持って立ち上がった。

スタッフさんに声をかける事も無く、奏多さんのおかげで顔パス。

「あっ!愛梨ちゃん居た!何だ、奏多も一緒だったのか。」

後ろから名前を呼ばれて振り向くと、新堂さんが居た。

奏多「新堂さん、お疲れ様です。」

新堂「おぉ。奏多は楽屋の方行ってて。中入ってていいから。愛梨ちゃんはちょっと着いてきて?」

愛梨「あっ、はい。じゃあ奏多さん、ここまで連れてきていただいてありがとうございました。」

お礼を言って、少し急いでいるような新堂さんに着いて行く。

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