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Nectar

第13章 守れなかったもの

ー蓮sideー

愛梨に別れを告げられた次の日、やっぱり納得が出来なくて仕事終わりに電話をかけた。

呼び出し音は途中で切れ、その後何度かけても電源が切られていた。

その次の日になると携帯は解約されてしまったみたいで、メールさえも送れなくなってしまった。



遙稀「蓮、ご飯できたから食べて」

蓮「いらない。愛梨の家…行ってくる。」

心配してくれてるハルには悪いけど…

気を遣ってる余裕なんて俺にはなかった。

連絡が取れないなら家に行くしかない。

でも…

いくらインターフォンを鳴らしても愛梨が出てくることはなかった。

ポケットの中に入っている合鍵を握り締める…

「もう彼女じゃないんだから…」

そう言った愛梨の言葉を思い出して、どうしてもその鍵を使うことが出来なかった。

今入ったらただの不法侵入だよな…

俺…

諦め悪すぎる?

もしまた会えたとしても、こんなダサい俺見たら愛梨は呆れる?

それでもやっぱり俺は愛梨を諦めることが出来なくて…

メンバーやファンの目を盗んでは愛梨のマンションまで行ってインターフォンを鳴らした。

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