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Nectar

第13章 守れなかったもの

会計の時にまた愛梨を探したけどやっぱり居なくて…

仕事に戻っている新堂さんが迎えに来てくれるのを裏口で待たせてもらう。



「愛梨さん…元気にしてますかね?」

“愛梨”と言う名前に反応して目を向けると、すぐそこで事務員らしい女の人2人が並んでコーヒーを飲んでいた。

「無理してないと良いけど…」

「愛梨さん本当に良い人なのに。こんな形で居なくなっちゃうなんて…犯人が許せないです!」

「うん…そうだね…」

先輩らしいその人はそれ以上何も言わずに、目に涙を浮かべているように見えた。

後輩っぽい女の子は電話がかかってきてすぐにその場を離れた。

蓮「あの…」

声をかけるとコッチを見たその人は、すごく優しそうな顔をしていた。

蓮「愛梨さんって…ここで働いてた愛梨さんですよね?」

この病院の事務員に“愛梨”って名前の人が何人も居るとは思えない。

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