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Nectar

第13章 守れなかったもの

ー蓮sideー

部屋から出ると帰ってきているはずのメンバーの姿が見えなくて…

ヒソヒソと話し声が聞こえる部屋に辿り着いた。

その中で話されているのは俺と愛梨の話。

別れを告げられたあの日、愛梨が玄関から動かなかった理由が分かった。

動いたら足の怪我が俺にバレたからだ。

胸が苦しくて堪らなかった。

すぐに部屋に戻って布団の中にこもったけど眠れなくて…

ただただ苦しかった。

何で愛梨は何も言ってくれなかったんだよ…

その上自分が悪者になるような別れ方して…

何も守ってやれなかった事が男として情けない…



自分の異変に気付いたのは一睡も出来ないまま迎えた朝5時。

声を出そうとしても喉が詰まってるみたいで…

聞こえてきたのは笑えるぐらいに掠れた小さい声だった。

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