テキストサイズ

Nectar

第13章 守れなかったもの

蓮「俺…愛梨の事何も気付いてやれなかった。もっとちゃんと見とけば…。あの時だって足の怪我にも気付けなかったんだ。」

千里「お前何で怪我の事…」

蓮「…話全部聞いてた」

蓮だけずっと部屋にこもってると思ってたのに…

千里「分かったから…もう喋るな。とりあえず新堂さんに電話して、病院行こう。」

電話しようと立ち上がった僕の手を蓮が掴んだ。

蓮「こんな俺…いる?(笑)」

何の事を言ってるか分からなかった。

でも無理に笑いながらそう言った蓮の瞳は不安そうに揺れていた。

蓮「こんなに弱くて…大事な声まで出なくなっちゃった俺は…グループに必要?」

僕を真っ直ぐに見つめてくる蓮の目からついに涙が零れた。

千里「お前…バカか?蓮が居ないと成り立たない。お前には声しか無いわけじゃないだろ…?」

怒りながらも蓮の事を強く抱き締めていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ