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Nectar

第13章 守れなかったもの

ー愛梨sideー

実家に帰って来てから数日が経った。

いきなり仕事を辞めて帰って来た娘を見て、両親は何も言わずに迎えてくれた。

ただ…

母「愛梨ちゃん…大阪弁そんなに下手やった?(笑)」

愛梨「…誰のせいだと思ってるん?」

母「たまに外国人が喋る日本語みたいなイントネーションになっとるよ(笑)」

ママはバカにしたように笑ってるけど…

私には笑い事じゃなかった。

約10年の都会生活。
両親が居なくなってからの7年弱の間はほとんど大阪弁を使う事はなかった。

大阪に帰って来てからも、無意識に標準語が出てる。

こんな私…大阪人としてどうなの?(笑)

母「仕事どうするん?まぁ別にそんなに焦って探さへんでもええんやけど…」

うん、暫くは働かなくても大丈夫なぐらいの蓄えはあるけど…

母「でも愛梨ちゃん資格とか持ってへんやろ?」

そっか…

資格とか取ってるのは…TOEICぐらいだ。

母「英語を生かせる仕事するにしても、勉強しないとあかんし…」


愛梨「私…就職出来るんかな…?」



はぁ…

24歳にして1から勉強か…

愛梨「もうどうせならアメリカとかオーストラリアとか…英語圏のどっか行こうかな…」

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