
先生の秘密
第5章 ◎三角関係
あれからあたしは時々先生と廊下で遭遇したりして。
でも前みたいな気まずさはなくて、あたしたちはよく話すようになった。
和樹のことは、話していないけど。
先生とは他愛ない話をする方が楽しくていい。
軽く話をして別れ際、頭をくしゃっとされるのが普通になった。
今日もトイレへ行った帰りに廊下で会ったから軽く話をした。
「じゃあなー」
いつものように頭をくしゃっとして去っていき、あたしは教室へ戻る。
すると男子トイレの前で和樹がこちらを見ていた。
悲しそうな表情で。
「…かず…………っ」
ダメ。必要なこと以外は話しかけちゃいけない。
あたしは足早に通りすぎようとした。
─パシッ
突然、掴まれる腕。
見なくてもわかる。この手の感触は久しぶりで、あたしは硬直する。
「今日、家行くわ」
ドキン、
「…わかった」
あたしはするっと腕をすり抜けて、教室へ戻る。
「なーにが家行くだよ~!いいな~俺も心ちゃん家いきてー!!」
後ろで和樹の周りの友達が茶化している声が聞こえた。
でも前みたいな気まずさはなくて、あたしたちはよく話すようになった。
和樹のことは、話していないけど。
先生とは他愛ない話をする方が楽しくていい。
軽く話をして別れ際、頭をくしゃっとされるのが普通になった。
今日もトイレへ行った帰りに廊下で会ったから軽く話をした。
「じゃあなー」
いつものように頭をくしゃっとして去っていき、あたしは教室へ戻る。
すると男子トイレの前で和樹がこちらを見ていた。
悲しそうな表情で。
「…かず…………っ」
ダメ。必要なこと以外は話しかけちゃいけない。
あたしは足早に通りすぎようとした。
─パシッ
突然、掴まれる腕。
見なくてもわかる。この手の感触は久しぶりで、あたしは硬直する。
「今日、家行くわ」
ドキン、
「…わかった」
あたしはするっと腕をすり抜けて、教室へ戻る。
「なーにが家行くだよ~!いいな~俺も心ちゃん家いきてー!!」
後ろで和樹の周りの友達が茶化している声が聞こえた。
