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U15っぽいけど実際はR18

第3章 真実


みは、悩んでいた。殺しみを解放するのはまだ早いって、ちあきぃが言ってたから。日本をまだ平和な国にしておきたいから封印しなさいって。

殺しみは、みを惹きつける。みの頭の中も、震える手も、話す言葉すら殺しみに寄せていく。みはそれが好きだった。

「まだ早い」

ちあきぃのあの時の目。とても怖かったぁ。みは嘘つきだから、色々な視線をぶつけられてきたけど、あの目は酷かったなぁ。みはとても傷ついた。

みの殺しみは抑えるほどに膨れ上がっていき、もしかしたらちあきぃも、爆発させる為の充電をさせてるのかもって、みは考えた。考えたらそれ以外ありえないような気がしてきて、みはそれを本当だと思い始めた。

満員電車の中でみは、疼く殺しみと闘っていた。解放しない。みはいい子。やれば我慢出来るから大丈夫。みは平気なんだ。

「いつまで自己暗示を続けるつもりだ」

ハイエナさんだ。同じ電車だったんだ。偶然じゃないことくらい、みにも分かった。

「お前の殺しみは薄れたとはいえ価値がある。さっさと解放しろ」

「ハイエナさんそれはまずいよぉ。人も沢山いるのに殺しみを使ったら時間になるよぉ。みは罪を犯してしまう」

「それが何か問題なのか。お前の人生はお前のものだ。躊躇う必要などない。さっさと解放してしまえ。楽になるぞ」











みは、楽が嫌ぁい。

みは頑張ってるから、楽なことが嫌いなんだぁ。

「そしてみは、命令が嫌いなんだぁ」






身体が燃える。みの焦げる香り。熱いのに気持ちよくなっていく。

頭がすーっと晴れていく。今なら全てがみの思うままになる。それが分かる。

「いいぞ、ねずみよ。もっと殺しみを解放しろ。お前だけの殺しみを、世界に伝染させるんだ」

「ハイエナさぁん。みは、ハイエナさぁんのこと、敵だと思ってるよぉ」

血液の針。太く長く突き刺さる。腹は柔らかく骨が少ない。食い込む感触が直に伝わってくる。

楽しい。

楽しい。









これが殺しみか。

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