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U15っぽいけど実際はR18

第3章 真実

「ネズミ、もうやめろ。ハイエナはまだ死ぬべきじゃない」





あたたかい。みのよく知ってる声だ。





「だれぇ、みは命令は嫌いなんだよぉ」

「9ページをよく読め。ハイエナにはまだ過去の役目がある。現時点で物語から消えてしまっては、物語が破綻する。太陽はそのためにあった。ハイエナはそのために生きた」





赤い針。命令する人には向かない。みの殺しみが薄れていく。ちあきぃによくにてる。





「誰なんだよぉ。みは、君のことしらなぁい。でも、どうしてかなぁ。みは君のこと知ってる気がするんだぁ。どこかで会ってるかなぁ」

「僕の名前は忘れていい。でも一度、そうだね、ここで名乗ることになっているんだったか。僕はi。個の頂点に立っている」





i。あい。やっぱりわからない。分からないのに、みの目からは涙が止まらない。懐かしい、悲しい、辛い、そんな感情なんだぁ。





「みはずっと抑えてきた。ちあきぃに言われたからずっと我慢してきた」

「知っている。津田ちあきのことも、みのことも、全て」

「みのこと知ってるなら、どうして止めるかなぁ。ありえないよぉ。何年とか何世紀とか、そういう次元を超えているんだよぉ」





iはニコって笑った。澄んだ笑顔がみの心に深く染み渡っていく。





「お疲れ様。これから君がすべき事を伝える。これは過去の物語だが、而して未来を左右する。とても大事なことだ」

「うん」

「津田を、殺してくれ。殺しみの真っ先に向かうべき相手は彼女だ」

「嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だぁ。みはちあきぃともっと遊ぶの。ちあきぃの姿を見ていたいのぉ。それがみの幸せなんだ」

「それは勘違いだ。津田は君を利用しているだけだ。洗脳が解けて客観的に見れば、彼女がどういう人間かは明らかになる」

「断ったらどうなるのぉ。みも、死んでしまうの」

「断らないよ。君は、ネズミは、みは、きっと引き受ける。そうなる事は未来できちんと確認済みだ。それから」





「何だよ」

「ハイエナ、前述の通り君にもまだ使命は残っている。その傷は四日と14時間で完治する。回復したら卯月に伝言を頼みたい」

「誰なんだよ、卯月って」

「詳細は後で送る。ひとまず、空間をリセットする。また会おう、ネズミとハイエナ」





(次は、西横の街。西横の街。お出口は、左側です)

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