テキストサイズ

あなたに逢えて

第2章 始まり

「すいません。お風呂、お先に失礼しました」
梓は俺のスウェットがでかいから
ぶかぶかになってる

改めて思った
綺麗な鼻筋
整った顔
手足に伸びる細い腕と足
色素が薄く綺麗な茶髪

今まであった女とは
比較出来ないくらいの美しさ
「梓ちゃん…可愛い!!!」
そういって梓に抱きつく姉ちゃん

母さんを紹介し
飯も食い
部屋に行って
梓の布団を敷く
「弘多…」
「ん?」
「ほんとにありがとね」
ニコっと微笑んだその顔は
作り笑顔じゃなかった

他愛もない話で11時まで盛り上がっていたら、
母さんに“さっさと寝なさい”と怒られた

翌朝

「---て」

優しい声が聞こえる

「---た…きて」

「弘多…起きて」

うっすらと目を開けると
すぐ目の前に梓の顔

「…朝這い?」
「は?いや、弘多がこっちの布団に入ってきてんじゃん」
「あれ…?」
「弘多が起きなきゃ布団から出れないよ」

どうやら俺は梓を抱きしめながら眠っちゃっていた

「ほら、早く起きて」
「…まだ寝る」

さらに強く抱きしめる
…つーか

「はぁ…遅刻だよ?」
「梓となら遅刻してもいい」
「おい…」

抱きしめてるのに
拒否しないんだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ