ビルの下でえんやこら
第3章 家族
暗い……。
目の前にあるのは、壁だろうか?
だが、そこは室内ではないことは、わかった。
(ここは?)
やがて、目が慣れてくる。上の方に微かだが、明かりを感じる。
貞子の目線が上がった。
なにやら、靴の先のようなものが見える。人がいるのか?
「やっと、目が覚めたか?」
(誰の声だ?)
男性の声。太くて高い。年齢は30代くらいと見た。
「なに、どうする気!? 主人は……光希弥は?」
妻、貞子の声だ。わずかに、震えが感じられる。
「嬉しく思え。あなたはここに立つビルの要に選ばれたのだ」
「要?」
「ずっと、我が本部の下に居続けることが出来る。光栄だろう。ぜひ、守っていただきたい」
サボさんは、冷たいものを感じた。
(まさか……生き埋め)
「おい、やめろっ!! 妻を解放しろっ!! きさまら、なにをやっているのか、わかっているのか!!」
声を荒らげてみても、聞こえるわけではない。
これは貞子が見たものを、ただ、見ているだけのことだ。
貞子は頭を上げる。
男が数人、ライトの光によって表情が、なんとなくだが、見ることができた。
楽しそうだ。
これから始まるイベントを、心待ちにしているように見えた。
目の前にあるのは、壁だろうか?
だが、そこは室内ではないことは、わかった。
(ここは?)
やがて、目が慣れてくる。上の方に微かだが、明かりを感じる。
貞子の目線が上がった。
なにやら、靴の先のようなものが見える。人がいるのか?
「やっと、目が覚めたか?」
(誰の声だ?)
男性の声。太くて高い。年齢は30代くらいと見た。
「なに、どうする気!? 主人は……光希弥は?」
妻、貞子の声だ。わずかに、震えが感じられる。
「嬉しく思え。あなたはここに立つビルの要に選ばれたのだ」
「要?」
「ずっと、我が本部の下に居続けることが出来る。光栄だろう。ぜひ、守っていただきたい」
サボさんは、冷たいものを感じた。
(まさか……生き埋め)
「おい、やめろっ!! 妻を解放しろっ!! きさまら、なにをやっているのか、わかっているのか!!」
声を荒らげてみても、聞こえるわけではない。
これは貞子が見たものを、ただ、見ているだけのことだ。
貞子は頭を上げる。
男が数人、ライトの光によって表情が、なんとなくだが、見ることができた。
楽しそうだ。
これから始まるイベントを、心待ちにしているように見えた。