え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第3章 祝福と忠誠と
「おかえりなさい、夕謡《ゆうた》、詩菜《しいな》ちゃん!」
「伯母さま?」
九重《くしげ》家の玄関で、夕謡の母でありわたしの伯母である九重有花《ありか》が出迎えてくれた。
伯母さまは九重家当主の務めで普段は忙しくしている。それがどうしたことだろう。
「夕謡、念願叶ってついに詩菜ちゃんのクリフェラ係になったんですって? もう、アイドルなんてちゃっちゃと辞めちゃいなさいって言ってたのに、今まで詩菜ちゃんを待たせて」
伯母さまはとてもとても嬉しそうに言った。そんな伯母さまに夕謡は苦笑して答える。
「事務所やファンへの責任もあるから。……ていうか母さん、僕が詩菜のクリフェラ係になりたがってるって、知ってたんだね」
「何言ってるの。あなた、私が詩菜ちゃんにクリフェラ係をつけようとするのを、必死で邪魔したじゃない」
わたしは夕謡と伯母様の顔を交互に見た。そうか、今まで伯母様がわたしにクリフェラ係を世話しなかった――できなかったのには、そういう理由があったんだ。
「今晩はお祝いしないとね。夕謡の念願が叶ったお祝いと、詩菜ちゃんの初のクリフェラ祝いよ」
「大袈裟だよ、母さん」
「あら、夕飯も抜きで奉仕に没頭したいかしら?」
「母さん!」
「伯母さま?」
九重《くしげ》家の玄関で、夕謡の母でありわたしの伯母である九重有花《ありか》が出迎えてくれた。
伯母さまは九重家当主の務めで普段は忙しくしている。それがどうしたことだろう。
「夕謡、念願叶ってついに詩菜ちゃんのクリフェラ係になったんですって? もう、アイドルなんてちゃっちゃと辞めちゃいなさいって言ってたのに、今まで詩菜ちゃんを待たせて」
伯母さまはとてもとても嬉しそうに言った。そんな伯母さまに夕謡は苦笑して答える。
「事務所やファンへの責任もあるから。……ていうか母さん、僕が詩菜のクリフェラ係になりたがってるって、知ってたんだね」
「何言ってるの。あなた、私が詩菜ちゃんにクリフェラ係をつけようとするのを、必死で邪魔したじゃない」
わたしは夕謡と伯母様の顔を交互に見た。そうか、今まで伯母様がわたしにクリフェラ係を世話しなかった――できなかったのには、そういう理由があったんだ。
「今晩はお祝いしないとね。夕謡の念願が叶ったお祝いと、詩菜ちゃんの初のクリフェラ祝いよ」
「大袈裟だよ、母さん」
「あら、夕飯も抜きで奉仕に没頭したいかしら?」
「母さん!」