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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第10章 想い、重ねて

 わたしは意味がわからず夕謡を見つめる。夕謡はよどみつつもこう言った。

「僕は……詩菜が思っている以上に、ずっとずっと詩菜が好きなんだ。焦がれてやまない……。だから」

 わたしは黙って先を促す。

「僕の熱は、劣情は、暴力的でさえあると思う。そんな衝動にまかせて詩菜を傷つけるのが、壊してしまうのが――怖い……」

 夕謡はそのくちびるを震わせながら、ぎゅっとこぶしを握り締める。

「恋人になったら……恋人のようなことをしてしまったら、きっともう、止まらない。詩菜を求めて求めて――詩菜がどんなに嫌だって泣いたって、きっと僕は……自分の衝動を、欲望を止められない……」

 わたしはじっと夕謡をみつめた。夕謡の告白は、わたしにとっては拍子抜けすると言ってもいいものだった。
 わたしだって、夕謡に焦がれているのに。
 夕謡は、自分の熱情のほうがずっと重く深いと思っているのだ。

「壊されてもいいよ」
「詩菜……?」

(――ううん、そうじゃない)

「……わたし、夕謡を受け止める自信があるよ。わたしも、夕謡のことが好きだから……愛してる、から。それくらいの器はあると思ってほしいな」
「詩菜……っ」

 夕謡がぶつかるように倒れ込んできて、押し倒される。吸い付くようにくちびるを奪われ、下半身には熱い塊を押し付けられた。
 くちづけながらも夕謡はわたしのスカートをめくり、そのままショーツを引きずり下ろした。そして、自らの欲望をも取り出す。

「詩菜、ああ詩菜……っ」

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