え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第2章 はじめてのクリフェラは中庭で
「僕を、詩菜《しいな》の専属クリフェラ係にしてほしい」
わたしは何を言われているかわからず固まった。夕謡《ゆうた》は顔を上げ、困ったように笑う。そして、もう一回言った。
「詩菜。僕を詩菜の専属クリフェラ係にしてくれないか。今まではアイドルの仕事でそれが叶わなかったけれど、僕が真に笑顔にしたいのは、詩菜、きみひとりだと気づいたんだ」
「夕謡、お従兄《にい》ちゃん……?」
呆然とするわたしの肩に手をかけ、依里子《よりこ》が言う。
「やっぱり、夕謡さんは詩菜を想っていたのね。詩菜、良かったわね」
「え……?」
「これで、お昼も辛い思いをせずに済むわよ? ほら、そろそろクリフェラ奉仕が始まるころね。私も蓮路《れんじ》さんを呼ぶわ」
そう言うと依里子がSNSメッセージで鷹司《たかつかさ》蓮路――依里子のクリフェラ係にして恋人である――を呼び出す。
「返答がないけど、いいんだよね、詩菜?」
夕謡がわたしに訊ねてくる。
「いいっていうか……、夕謡お従兄ちゃん、あんなにアイドルの仕事を大事にしてたよね。それがどうして?」
わたしはしどろもどろになりつつ、質問で返した。
わたしは何を言われているかわからず固まった。夕謡《ゆうた》は顔を上げ、困ったように笑う。そして、もう一回言った。
「詩菜。僕を詩菜の専属クリフェラ係にしてくれないか。今まではアイドルの仕事でそれが叶わなかったけれど、僕が真に笑顔にしたいのは、詩菜、きみひとりだと気づいたんだ」
「夕謡、お従兄《にい》ちゃん……?」
呆然とするわたしの肩に手をかけ、依里子《よりこ》が言う。
「やっぱり、夕謡さんは詩菜を想っていたのね。詩菜、良かったわね」
「え……?」
「これで、お昼も辛い思いをせずに済むわよ? ほら、そろそろクリフェラ奉仕が始まるころね。私も蓮路《れんじ》さんを呼ぶわ」
そう言うと依里子がSNSメッセージで鷹司《たかつかさ》蓮路――依里子のクリフェラ係にして恋人である――を呼び出す。
「返答がないけど、いいんだよね、詩菜?」
夕謡がわたしに訊ねてくる。
「いいっていうか……、夕謡お従兄ちゃん、あんなにアイドルの仕事を大事にしてたよね。それがどうして?」
わたしはしどろもどろになりつつ、質問で返した。