え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第2章 はじめてのクリフェラは中庭で
「さっき言ったよね。僕が真に笑顔に、そして幸せにしたいのは、詩菜、きみひとりだって気づいたんだ」
「だからって……」
アイドルを辞めてまで専属クリフェラ係だなんて。
「決まりね、詩菜。初めてのクリフェラを受けるのが好きな人で良かったわね」
依里子がわたしの背中を軽く叩いて言った。
「え! 好きな人?」
「あら、違うのかしら? 私にはそう見えてたけど」
「……!」
「おーい、依里子」
そこへ、鷹司先輩――依里子の恋人、蓮路がやってきた。
「依里子、詩菜ちゃん……! 良かったなぁ詩菜ちゃん。これで俺も遠慮ぜず、依里子に昼のクリフェラ奉仕ができるぜ」
「そうね、蓮路さん。……ねぇ、九重《くしげ》くん? 今日は私たちと一緒にクリフェラをしない? 詩菜も私が一緒なら、安心すると思うの」
「そうだね。行こう、詩菜」
「え、ちょ……待って……っ」
なし崩しに決まってしまいそうだったので、わたしは思わずのように言った。
「僕じゃ、嫌?」
「…………」
わたしは、嫌なのだろうか。夕謡にクリフェラを受ける自分を想像してみる。
カッと顔が熱くなったが、そこに嫌な感じはない。むしろ、夕謡以外でそれを想像することのほうが難しいのだ。
「い、嫌じゃ……ないよ……」
そうして、わたしと夕謡――九重財閥の御曹司にして、元アイドルのわたしの従兄とのクリフェラ係契約が決まったのだった。
「だからって……」
アイドルを辞めてまで専属クリフェラ係だなんて。
「決まりね、詩菜。初めてのクリフェラを受けるのが好きな人で良かったわね」
依里子がわたしの背中を軽く叩いて言った。
「え! 好きな人?」
「あら、違うのかしら? 私にはそう見えてたけど」
「……!」
「おーい、依里子」
そこへ、鷹司先輩――依里子の恋人、蓮路がやってきた。
「依里子、詩菜ちゃん……! 良かったなぁ詩菜ちゃん。これで俺も遠慮ぜず、依里子に昼のクリフェラ奉仕ができるぜ」
「そうね、蓮路さん。……ねぇ、九重《くしげ》くん? 今日は私たちと一緒にクリフェラをしない? 詩菜も私が一緒なら、安心すると思うの」
「そうだね。行こう、詩菜」
「え、ちょ……待って……っ」
なし崩しに決まってしまいそうだったので、わたしは思わずのように言った。
「僕じゃ、嫌?」
「…………」
わたしは、嫌なのだろうか。夕謡にクリフェラを受ける自分を想像してみる。
カッと顔が熱くなったが、そこに嫌な感じはない。むしろ、夕謡以外でそれを想像することのほうが難しいのだ。
「い、嫌じゃ……ないよ……」
そうして、わたしと夕謡――九重財閥の御曹司にして、元アイドルのわたしの従兄とのクリフェラ係契約が決まったのだった。