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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第15章 氷解する心

「詩菜《しいな》お姉さま、どうしたの?」

 タクシーを使って帰宅したわたしに、夢芽《ゆめ》ちゃんが驚きの声をあげる。

「急いでたし、ちょっと足が痛くて……」
「大丈夫? お姉さま。それなら、うちのリムジンを呼べば良かったのに」
「……今度からそうする」

 そうは答えたものの、今度はないだろう。充分なお小遣いをもらっているのにリムジンまでお世話してもらうのは心苦しいし、今日のような事態がそうあるとも思えない。

「夕謡《ゆうた》は帰ってる?」
「ええ。帰ってるわ。……お兄さまと何かあったの?」
「ちょっと、ね。大丈夫、今から解決してくるから」

 心配する夢芽ちゃんにそう言って、わたしは夕謡の部屋へと向かった。

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