え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第18章 永久なる愛を誓う
わたしは依里子の背後にできた輪に加わった。
(たぶん、取れないけど……)
わたしは背が高いほうではないし、それほど運動神経もよくないのだ。
そして、依里子が手を振りかぶり、ブーケが投げられた。弧を描いて飛翔するブーケに向かって、わたしは手を伸ばす。取った、と思った次の瞬間、ブーケは指先に弾かれてしまった。
「あっ」
わたしの背後で誰かがジャンプし、大きく手を伸ばした。わたしが振り向くと、ブーケを手に着地したのは夕謡だった。
「夕謡」
周りからわずかにブーイングが起こる。夕謡はそれに応えて、こう言った。
「女性の皆さま、とは言われなかったよね?」
そして、わたしの前で礼をとって、恭しくブーケを差し出したのだ。
「詩菜、僕と結婚してください」
夕謡がわたしの手を取り、ブーケを手渡してくれる。
わたしは驚いたが、しっかりとブーケを受け取って、答えた。
「夕謡……ありがとう。もちろん、お受けします」
夕謡は嬉しそうに微笑んで、わたしを軽く抱き寄せる。
披露宴用のドレスを纏った依里子がいつのまにか近寄ってきていて、こう言った。
「人の結婚式で、なかなかやるじゃない」
その言葉には皮肉げな響きはない。
「おめでとう、詩菜。あなたも幸せになるわね」
「……ありがとう、依里子」
わたしはブーケを手に、幸せな涙をにじませたのだった。
(たぶん、取れないけど……)
わたしは背が高いほうではないし、それほど運動神経もよくないのだ。
そして、依里子が手を振りかぶり、ブーケが投げられた。弧を描いて飛翔するブーケに向かって、わたしは手を伸ばす。取った、と思った次の瞬間、ブーケは指先に弾かれてしまった。
「あっ」
わたしの背後で誰かがジャンプし、大きく手を伸ばした。わたしが振り向くと、ブーケを手に着地したのは夕謡だった。
「夕謡」
周りからわずかにブーイングが起こる。夕謡はそれに応えて、こう言った。
「女性の皆さま、とは言われなかったよね?」
そして、わたしの前で礼をとって、恭しくブーケを差し出したのだ。
「詩菜、僕と結婚してください」
夕謡がわたしの手を取り、ブーケを手渡してくれる。
わたしは驚いたが、しっかりとブーケを受け取って、答えた。
「夕謡……ありがとう。もちろん、お受けします」
夕謡は嬉しそうに微笑んで、わたしを軽く抱き寄せる。
披露宴用のドレスを纏った依里子がいつのまにか近寄ってきていて、こう言った。
「人の結婚式で、なかなかやるじゃない」
その言葉には皮肉げな響きはない。
「おめでとう、詩菜。あなたも幸せになるわね」
「……ありがとう、依里子」
わたしはブーケを手に、幸せな涙をにじませたのだった。