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ねぇ、私に好きを教えて…?

第2章 生きた屍

…あれから1ヶ月が経ち
星羅ちゃんの元彼は警察に捕まった。
姉貴のおかげで慰謝料も取れることになり
星羅ちゃんも少しだが、微笑むくらいだが笑えるようになった。

なんせ、星羅ちゃんは料理が好きらしく
俺に申し訳ないからせめて…ということで
ご飯を作ってくれてる。
まぁこれが美味いんだわ本当。
料理する事で気持ちが落ち着くのであれば
いいリハビリなのか。

「じゃあああああん!」

「あ、それは新作の映画DVDですか?」

「そー!!明日から連休だから借りてきた♪」

「…それ、私も見たいです。」

「おう、したら今日のスペシャル星羅ちゃんディナーを食べたら見るか!」

「ふふ、また大袈裟ですよ。」



「ふぁー、ごちそうさまでした。
今日のも贅沢なディナーでしたわ。
いつもありがとうな。」

「いいえ、そんなこちらこそお世話になってるので。美味しいと言っていただければ嬉しいです。」

「…あ。そういえばさ、星羅ちゃんって俺と歳近い?
すっげぇ今更感ハンパないけど。」

「今年で22になります。」

「おふ…。俺とひとまわり違うのな。」
…思ったより離れてた。

「仕事は前何してたの?」

「事務職をしてました。
ほとんどパソコンの打ち込みですけど…。
人とうまくお話出来なくて…。」

「うぇー、俺機械系苦手。」


少しずつ話も出来るようになり
今更ながらこんな話をしてる毎日だ。

他愛ない話でも
毎日仕事しかなかった俺には
癒しでしかなかった。

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