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ねぇ、私に好きを教えて…?

第2章 生きた屍

元彼も捕まったことだし、俺の家にいる必要もないのかもしれないが。
親しい人が近くにいない今、家家に返すのは心細いだろう。

前働いてた分の給料もあるって言って、ちゃんとお金まで週末に渡して来る。
気にしなくて良いのによ、律儀なやつ。
だから食費だけ半分出してってことで解決した。
…というかさせた。

姉貴も時間あるとき顔出してくれてるみたいで、今後の話も含めて話してるらしい。
もう少し落ち着いたら、仕事を始めたいってこの前言ってたっけ。


「佐山さん、本当色々とありがとうございます。
何から何までお世話になってしまって。
頼れる人がいなかったので尚更、佐山さんに甘えてここまでしていただいて。」

「いいんだよ、俺が好きでしたことだし。
ほとんど仕事で家空けてる事多いから。」

「…私、佐山さんに救われたんです。
あの時間があった日も、何も言わず、何も聞かず。
ただ側にいてくれて。
次の日の朝も、佐山さんお腹弱いって言ってましたけど私のためにおかゆにしてくれたことも。
お仕事で忙しいのに、私の面倒まで見ていただいて。なんとお礼を言って良いかわかりません。」

「んなこたーないの。
星羅ちゃんが良い子だから、おっさんも助けたわけで。俺の姉貴だって、しっかりしてる子だって言ってたし挙句俺みたいな弟じゃなくて、星羅ちゃんみたいな妹が欲しかったって言われたぜこの前。笑」

「咲さんって佐山さんに似てますね。顔とか性格とか。仲良くて羨ましいです。」

「いやだよあんな姉貴と似てるのなんて。笑
ま、俺も姉貴も。星羅ちゃんを支えたくて勝手に好きにやってるんだから。申し訳ないって感じる必要もねぇよ。だから遠慮すんな。」


そう、少しずつでいいから。
前を向いていけるようになってくれれば。
星羅ちゃんが笑って過ごせるなら。
俺は何があっても助ける。

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