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ねぇ、私に好きを教えて…?

第2章 生きた屍

次の日。
星羅ちゃんはゆっくりと
今までのことを話してくれた。

幼い時に父の不倫が原因で離婚。
母に引き取られた星羅ちゃんだったが
母子家庭になったことがストレスになり
男にだらしなく、仕事も転々とし
星羅ちゃんに八つ当たりをする程に。
父の不倫が原因だったこともあってか
人を好きになると母みたいになってしまうのか…
と、好意の感情が出ることがなかった。
異性としてみることがなかったため
男の人とは友達のように接してきたが
同性からは嫌われてしまった。
よくある話だろう…。

いじめもエスカレートし
ついには、仲の良かった男友達も
女子たちに加担してしまって。
自分のことを大切にという意味も分からなくなったのもこの頃から。

ふと不安になった時に
あの時のことを思い出して押しつぶされる。
街へ出て、良さげな人を見つければ
そこで1日限りの関係になることで、快楽で苦しみを紛らわしていた。

高校も奨学金を借りたりアルバイトで
生活をやりくりして無事に卒業。
特に親しい友人が出来ることもなく
就職先が決まるわけでもなく。
ただただ、不安を消すためにフラついている毎日だった時に元彼と出会った。

彼とも、1日だけの関係にするつもりで
声を掛けたのがきっかけ。

初めてだった。
私のしていることを叱ってくれた人は。
目を見て叱ってくれた人は。
「何があったかわかんねーけど
自分を安売りするな。
あんた、シたくてこんなことやってるわけじゃねーだろ。つらいこと、苦しいことから逃げててこんなことしたって満たされてっか?
初めてじゃねぇだろ、こういうこと。」

…こう言われたらしい。

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