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ねぇ、私に好きを教えて…?

第1章 出会い

「「「今年もお疲れ様でしたぁぁぁ!!」」」

無事にタイヤ交換ピークも過ぎ
気付けば年末。
こうして1年があっという間に過ぎていく。
俺もおっさんになるわけだこりゃ。

「赤石〜、ありがとな店の段取りやってくれて。」

こいつは同じ職場ので赤石颯。
学生時代からの付き合いというか腐れ縁。
生意気だけど信頼してる。

「いいえ、むしろすいません。
年末なんでどこも予約取れなかったんですよここ以外。職場からちょっと離れてますし。」

「いいのいいの。俺なら予約出来ないって1件目で言われたらそのまま何もしなかったよ。笑」

「いや、主任。それは諦め早過ぎです。笑
でもここなら主任が好きなワインありますから。」

「おい、俺がいつワイン好きだと言った。
まぁ、今年もお疲れ様でした。こんな主任ですが。来年もよろしくな!!」

「「「カンパーイ!!!」」」



「いらっしゃいませー。」

うぅ…、飲み過ぎたし寒いし。
温かい飲み物でも買って帰るか。

『カシャン』

あ、あの人鍵落としたよ。
てかイヤホンしてて気付いてねぇし。
…しゃあねぇな。

ツンツン
「すいません、鍵落としました…あれ?」

「あ、あなたはこの間の…。」

「デコの傷、良くなったんだな。良かった良かった。で、今度は鍵を落として。意外におっちょこちょいなの?笑」

「いや…、なんか恥ずかしいところばかり…。あ、この間はありがとうございました。今回も鍵拾っていただいて…。なんとお礼したらいいか…。」

「んな大したことじゃねーよ。気にすんな。」

「いえ、また会えると思わなかったのでせめて何かお礼させてください。あ、そのココア私買いますから。」

「いいーって。たかが絆創膏だから!」

「いいえ、嫌です。そこで待っててください。」


あらー、いいって言ってんのに。
これもあれか?
日頃の行いが良い俺への神様からのプレゼントか。
なーんて調子乗ったら罰当たりそ。

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