二人のキセキの物語 MN
第51章 遠距離の二人3 カズ
3-2
「ありがとう・・・ お邪魔しました」
「行ってらっしゃい、仕事頑張ってね」
「仕事って言ったってなぁ・・・はぁ・・行きたくねぇなぁ・・」
「んふふ・・・子供みたい」
片づけもするよ、って言う潤を
時間が無いからって背中を押したくせに
玄関先で 手を握り合って
別れを惜しむなんて
二十歳の男同士のする事じゃ無い気がする
でも、そうは思っても
何だかさっきからぐだぐだして
潤はちっともドアを開けないし
俺も強引に追い出すような真似もせず
口では窘めるような事を言いつつも
握った手を離すワケでもないんだから どっちもどっちだ