夏夜の煙
第1章 1人で吸うか、2人で吸うか
「……は?なんで私が潤の家に?」
意味わかんない。と表情で訴えかけると、
「オマエが学校来ないなら、オレが守れねぇじゃん…。だから……せめて、せめてでもオレの目の届くところにいてほしいんだ。」
そう言う潤の目は切なげで。
昔の弱っちかった潤を思い出した。
「守られなくても、私は大丈夫だよ?ただ、世の中に意味を見いだせないだけ。」
ふ、と微笑みかけると、
「それが、嫌なんだよ…」
ぎゅ、と眉をひそめて言った。
「え………?」
ついっ、と潤の両手が伸びてきて、私の頬を包み込むと、
「怖いんだよ。和奏が離れていくのが。………オマエが好きだから。」
あと1ミリで唇同士が触れ合うような。
そんな距離で潤は。
私を好きだと震える声で言った。