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バルコニー交歓

第1章 バルコニー初見

老母が立てなくなり、介護することになった。

僕は、もう若くない。40代に入ったところだ。
僕は、いわゆるニートである。オタクというわけではない。さらに普通のニートと違うところは、普通に外出し、普通に他人と会話し交渉し取引し、普通に社会生活を送れるところだ。つまり僕は、単なる失業者で、再就職の道がなかなか見つからない状態だった。
ただ生活は苦しくはなかった。資産家というわけではないが、けっこう余裕があった。
僕には、きょうだいがいない。
父親は、十数年前に他界した。
だから、家では老母と二人だけの生活である。

こうして、僕は家事一切をすることになった。

しかし、介護生活はわずか3か月で終わった。
立てなくなった老母は、急速に衰弱しあっけなく亡くなってしまった。

僕は、家にひとりになった。
しかし、家事一切をやることは変わらなかった。

そして、その日もいつも通り、ようやく秋めいてきた午前の爽やかな空気の中、僕は、バルコニーに出た。
洗濯物を干すためである。
ぞうきんで竿を拭いていて、ふと視界に入ってきたいつもと違う風景を見た。

バルコニーの前は、空き地である。
その空き地を挟んで向こう側に、こちらと同じような2階建ての家があり、バルコニーがあった。
いつもはそのバルコニーに人影を見ることが、まったく皆無だった。

それがその日は、初めて人影があった。
「!!!!!」
白いワンピースに身を包んだその人影は、服の上からもはっきりとわかる、いや、服を強く突き破って激しく主張している
<超爆乳>
のちょっと太めの、年のころ20代後半から30代前半くらいの女性だった。

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