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『ま゜』

第9章 脱出

「じゃあ、この子達にもあのゲームをやらせたの?」

“それは違う、やったのは、お主らが初めてだ。まさか大人で、それも化け物がくるなんて思っていなかったから……追い出すつもりでチャレンジさせたが、まさか、本当にクリアしてしまうとは……”

「じゃあ、なに? クリア条件の数字を下回ったほうが、ここを出れたってわけ?」

“うむ……まさか、あんなロボットを武器にしたり、あんたみたいな助っ人来たり……だから、いきなりクリアでしか、クリア出来ないものばかりを出したのだが……”

 水戸さんが、ゲームの神に近付く。

“な、なんじゃ?”

 水戸さんは、口を開けて、首筋に噛みついた。

“あああああああーーーっ!! やめろぉーーっ!! まさかのあま噛みが気持ち悪い!!”

「水戸さん、あなたの行ってる家に子供さんはいる?」

 水戸さんは口を離し、携帯電話に文字を打った。

《中学生の女の子がいる。ファミゲーポータブルコレクションと言う、昔のファミゲーソフトのゲームがいっぱい入ってるゲーム機で遊んでた》 

「ファミゲーポータブルコレクション?」と音子が口に出して読むと……、

「あ、僕、それ持ってる」

「私も持ってる」

 と、子供達が次々と口を揃えて言った。

「え、みんな持ってるの?」と音子は、驚いた。

 水戸さんが、お世話になっている山野家にも、娘さんが持っている。

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