花と時計
第6章 I fall in love with unknown
「欲しいの何だっけ?」
「せ、せんぱい、です」
「どこに?」
見えないところで触れられる。
「あぁっ」
のけぞった私の喉元に、彼は軽く噛みつく。
舐めて、キスをして。
下着の上から指でなぞる。
「はっ、ぁう」
声が出てしまう。
「俺の全部、欲しいね」
頷く。
「じゃあ、依子はどうしようか」
熱い血は逸る。
私はソファの上で膝立ちになり、スカートを脱ぎ去る。
そして……私の目から、涙がボロボロと零れた。
「依子?」
先輩が私の頬に触れるのを、私は、自分の顔を両手で隠して、拒否した。
「辛いです」
熱かった血が涙になって落ちていく。
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