
花と時計
第7章 初恋の君
【キョージ:遊園地の件なんだけど、
バイト先に言ってきたからOK!
キョージ:待ち合わせとか後で決めようぜ
花来依子:よかった。
楽しみです。】
私はアプリを終了して、スマホの画面を消した。
敷き布団に横になり、目を閉じる。
先輩は何をしているのだろう。
無意識にそのことを考えてしまう私がいる。
あの時、私は、先輩への『好き』という感情を認めた。
友情とは違う『好き』を。
だけど、それだけ。
心に蕾が根づいていることに気がついただけ。
それがどういう『好き』なのか、どういう花なのか、私にはまだ分からない。
拒絶された私に、彼を想う資格があるのかさえ。
