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堕ちる

第1章 1

しかしそれも、不思議ではないというだけで、そうだと決まったわけではない。

何がなんだか、わからなくなった。

「私のこと、遊んでる女だって思ってた?」

僕の様子から察したのか、江藤さんがそう訊ねた。

「そうだよね。私、よく他の男子と一緒にいるし。でもあれはただの友達。やっぱり軽い女だって思われてるみたいだから、よく誘われてはいるけど、でも長谷川以外には誰にも、指一本触れさせてないから」

潤んだ瞳で、僕を見つめながら言う。

そんな江藤さんが嘘をついているとは、やはり思いたくなかった。

ただ、他にも、はじめてなのにあれだけディープな行為ができるものなのかと疑問が残る。

「私、いつも長谷川と結ばれること想像して、頭の中で練習してたの。それに、実際に長谷川とエッチしてると、嬉しすぎて……ついやりすぎちゃって……」

僕の疑問に応えるように、江藤さんが言った。

一応、理屈は通っていると思える。

「やっぱり、こんなエッチな女の子じゃ、嫌? 長谷川の彼女にはなれないのかな?」

こらえきれずに、江藤さんが涙をあふれされる。

なんだか、これまで見ていた江藤さんとは、まるっきりの別人に思えた。

江藤さんが、手を伸ばし僕のモノを握ると、ゆっくりと動かしはじめた。

「嫌なら彼女は諦めるから、せめて一度だけ……」

僕は返事はせずに、ただ、腰を動かした。

再び、ゆっくりと江藤さんの中に入って行く。

江藤さんはやはり表情を歪めたが、今度は止めなかった。

濡れそぼった、柔らかで、でもきつく締め付けてくる肉の壁を分け入って行く。

やがて、根元まで突き射した。

「すごい、奥まで届いてる」

ふと、僕は挿入口を見下ろした。

「血、出てる?」

首を横に振って答えた。

少なくとも目に見える出血はなかった。

「よかった。はじめてだからって血が出るって決まってるわけじゃないけど、でもきっと、長谷川のだから出なかったんだと思う」

はじめてでも、血が出ないこともあるのか?

僕のだから出血しなかったとは、どういう理屈か?

わからないが、わからないなりに、心に響くものがあった。

「動いて……」

江藤さんの求めに応じて、ゆっくりと腰を前後させた。

手や口とは違った、また別の快感が襲ってくる。

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