ほんとのうた(仮題)
第13章 あとは終わりゆく、だけ?
いや、待てよ。親父との件とか、俺だって俺なりに――頑張ったはず。ああ、それも真が隣にいてくれたからできたことなのか? ――と、そんな風に思って、またヘコむ。
真のこと――こんなにも大事の思っていたのかと、今、明確にそれがどれくらいのものだったのかを実感している。
もう、手に入らないもの。手に入れては、いけなかったもの。いや、違うだろ。これは互いに必要な過程だった。そうだと、決めたはず……。
この短い時間が、真にとって意味のあるものであってほしい。そう願うのなら、俺がいつまでも引きずってるわけにはいかない。
「畜生……妙なところだけ、変に真面目なんだよな、俺って……」
そんなことを呟き、とりあえず俺はベッドから起き上がっていた。
――と、いった感じで。ひょんなことから出会ったアンバランスな男女は、互いに有るべき場所に戻って行くことになり、めでたしめでたし――か?
だけど、もし――俺たちの行く末を、ほんの僅かでも気にかけてもらえるのならば。
この物語の後日談に、もう少しだけ耳を傾けてもらいたい。
とりあえず、それは――それから数か月後のこと。
【(仮題)へ続く】