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ほんとのうた(仮題)

第15章 たとえば――



 たとえば、そんな場面をその可能性を、俺が否定することになんら意味などない。

 期待して待つのではなく、しかし、その日が訪れることを俺はしっているのだから。

 それは、”真の唄”が教えてくれたこと――。

 もちろん、その時を――二人がどのようなタイミングで迎えるのか、それはわからなかった。

 以前と同じではいられないことだって、当然あるのだろう。

 二人共がそれぞれの人生を、必死に歩んでいるのだから。

 それでも、俺たちは互いに笑い合うことができる。


「よく来たな――真」

「うん!」


 ――それは、必ず。

 そんな想いを、ほんの少しだけ胸の片隅に秘めながら――

 俺は俺の日常を、これからも生きいこうと思う――が。

 ――――いかが、だろう?






【おしまい】







   ◆   ◆


最後までお読みいただき”真”にありがとうございました!

成巳京

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