ほんとのうた(仮題)
第15章 たとえば――
たとえば、そんな場面をその可能性を、俺が否定することになんら意味などない。
期待して待つのではなく、しかし、その日が訪れることを俺はしっているのだから。
それは、”真の唄”が教えてくれたこと――。
もちろん、その時を――二人がどのようなタイミングで迎えるのか、それはわからなかった。
以前と同じではいられないことだって、当然あるのだろう。
二人共がそれぞれの人生を、必死に歩んでいるのだから。
それでも、俺たちは互いに笑い合うことができる。
「よく来たな――真」
「うん!」
――それは、必ず。
そんな想いを、ほんの少しだけ胸の片隅に秘めながら――
俺は俺の日常を、これからも生きいこうと思う――が。
――――いかが、だろう?
【おしまい】
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最後までお読みいただき”真”にありがとうございました!
成巳京