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不器用同士

第6章 高3

夕ご飯は食べられなかった
ずっと自分の部屋に閉じこもっていた
そしたら聖からLINEが来た

〈飯食ったか?〉

何でこんなに察しがいいんだろう…

《食べてない》
〈セブン行かね?〉
《セブン?》
〈気分転換でさ〉
《分かった。どこで待ち合わせ?》
〈公民館でいいか?すぐ行くけど〉
《いいよ。私もすぐ行く》
〈じゃあまた後で〉
《うん》

ずっと前から思ってたけど聖って凄い優しいな…
不良っぽいのに、優しすぎる…
不器用なくせに…
公民館…行かなきゃ…

「悪い」

聖は汗だくで来た

「え…ああ…急がせちゃったんだね…ごめん」
「いや、大丈夫」
「優しいね」
「そんなことない」
「私が勝手に思ってるだけだから気にしないで」
「ああ…セブン行くか」
「うん」

聖はメルカリの支払いするために来たみたい

「大丈夫か?」
「あ、大丈夫だよ」
「アイス食えるか?」
「え…」
「俺、パピコ食いたいから」
「うん…じゃあお言葉に甘えるよ」
「買ってくる」

私達は外で食べてた

「っっ!!…あー…痛い…」
「え…知覚過敏?」
「ああ…」
「じゃあ何でアイス…」
「暑かったから」
「あははっwww」
「何?」
「ホント不器用だなーってw」
「は?」
「ま、ありがとね」

聖は何なのか分からなそうにしてた
ま、私は分かっちゃったからなーw
聖はミント好きだから普通だったらチョコミントアイスを選ぶはず。だけどコーヒー味のパピコを選んだ。2つ入ってるからと言われればそこまでだけど、多分アイスなら私も食べると思ったんだろうなー。聖は私がアイス好きのこと知ってるし。しかも私の推しアイスがコーヒー味のパピコ。たまたまかな?w
聖はいきなり話した

「良かった」
「え?」
「お前が笑ったから」
「え…ちょっと待って。私を笑わせるためにセブンに誘ったの?」
「笑わせると言うか、少しでも忘れて欲しかった」
「あ、ありがと///」
「ん」

何か…照れくさかった…
とにかく話変えなきゃ
ずっと照れくさいままだからね…

「あ、来週の土曜祭りじゃん?一緒に行かない?」
「…別にいいけど」
「ありがと!!…あ!」
「どうした?」
「薬の時間だから帰らないと」

私、実は持病持ちでよく倒れるんだよね〜…めんどくさい…

「そうか。また明日な」
「うん!!」

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