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不器用同士

第49章 死への恐怖

響が胃のあたりに包丁を刺した理由が分かった…
胸骨スレスレで上の方に刺すと心臓に刺さるケースがあるらしい…
響は確実に死のうとしてた…
看護師が助かるか分からないと言っていた…
お願いだ…
助かってくれ…

3時間くらい経った
医者が出てきて神妙な顔つきをしながら近づいてきた…

「響は…?」
「一命を取りとめましたがまだ安心できない状況です…」
「そう…ですか…」

俺は無力だったのか?
弟だからという理由で油断したのが原因か…?
早く響の所に行かないと…

「響…」

奏也side

僕の欲望が姉さんの自殺の原因…?
そんな事ない…
聖さんがちゃんと守らないから…

そう思いたい…
だけどやっぱり僕のせいなんだ…

「うわぁぁぁぁぁぁっっ!!」

僕は叫んでも姉さんが一瞬で治るはずがないのに叫んだ

聖side

響は集中治療室に入れられてた
何かよくわからない機械が響についてる
俺が見た顔色の中で1番顔色が悪い…
そりゃそうだよな…
死の1歩手前なんだから…
響は何回男で入院しなきゃなんだよ…
そう思ったら泣いてしまった…

「っ…響…っは…っ…」

ひとしきり泣いた後柴崎に連絡した

「小野です…」
[響に何かあったか…?]

言おうとしたらまた泣いてしまった…

「包丁で…っ…自殺未遂っ…して…助かるか微妙で…」
[病院行く。どこだ]
「中央病院です…」
[すぐに行く]

柴崎は本当にすぐ来た

「響は何で…」
「義理の弟にキスされて…」
「…そうか…」
「響…心臓狙って刺してて…俺…響の力になれてなくて…っ…」
「小野は響を学校に行けるまで回復させてくれた。力になれてる」
「だけど現に響は死にかけてる!!」
「…義理の弟というのは?」

話逸らしたな…
柴崎も響の事知らないから逸らしたんだろうな…

「…僕です」
「君は?」
「村瀬奏也です」
「響の異父兄弟か」
「ええ。僕は姉さんの事が好きでキスしました。そしたら…」
「知らなかったとはいえこれだけの事になった。少し話聞かせてくれ」
「はい」
「小野はどうする」
「ここにいます。いつ響が起きるか分かりませんから…」
「そうか…頼む」
「はい…」

柴崎と奏也はどこかに行った

「あ…」

俺はLINEで阿部に伝える事にした

〈中央病院に来い〉

すぐに返信来た

[響に何があった]
〈とにかく来い〉

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