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不器用同士

第19章 花火の日の午前1時

いつもは爆睡してるのに1時くらいに目が覚めた
楽しみすぎて気が早くなったのかな?

約10分後

「痛…」

急にお腹が痛くなった
とりあえずトイレに行って用を足そうとしたんだけど、腹痛が治まる気配がない。むしろ悪化してる

「痛いっ…ーーーっっ!!」

私の「痛い」の音量凄かったらしく、保護者が来た

「大丈夫か?」
「…凄く痛い…」
「すぐ治るわ」
「今まで無い痛さなんだ…い"った…も…救急車…お願い…」
「馬鹿。腹痛くらいで呼べるか」

ふざけんなって言いかけた
いや、痛すぎて言えなかった
軽い水溜まりが出来るほど変な汗が出て意識が朦朧としてた

「鍵開けろ」

いつもだったら絶対開けない
だけどこの状況だ…
自由に動かない体を無理矢理動かして鍵を開けた
保護者は私の汗の量と顔色を見て救急車を呼んだ

救急車が来た頃にはもっと意識が薄くなってきて救急隊員の質問に答えるのもキツかった

病院について点滴をされた
これが終われば帰れると思ってた

医者は私に「急性胃腸炎だから入院しろ」と言った…

私は痛さで疲れきっていたのか、その後寝てしまった

午前4時

「…あ"…はぁ…3時間寝たのか…」
「あ、起きたのね。今どんな感じ?」
「とにかく痛くて、お腹が張ってる気がします」
「そう。あと5日くらい入院になるから早く治そうね」
「5日…!?今日大事な用事あるんです!退院させてください!」
「今退院したら用事の途中に倒れるよ」
「っっ…」
「だから大人しく寝ててね」
「…はい…」

10時くらいに保護者が私のスマホを持って見舞いに来た
私は保護者の話も聞かずに聖にLINEした…

《ごめん…急性胃腸炎になって花火行けなくなった…ホントごめん…》
〈マジか〉
《ごめん》
〈別に大丈夫。どこに入院してる?〉
《中央病院》
〈暇だったら行くわ〉

え!?
聖が来るならすぐ治るに違いない!
でも申し訳ないな…

《ありがと》
〈田村も連れて行くわ〉

いらないな

《たむこう…か…》
〈ん?〉
《いや、暇だったら来て。私も暇だから》
〈分かった〉

二人っきりが良かった…
と、ボヤきながら寝た

聖side

マジかよ
あいつ楽しみにしてたのに
不幸すぎだな
俺も行く気あったのに…
行かないで寝るか…

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