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サムライダー

第2章 ミオside

ヘルメット集団の少し手前に止まった1台のバイク。フロントライトの光のせいか白っぽく思える土煙とほこりが夜の暗闇にたちこめてぼんやりと現れた人物の姿が少しずつ見えはじめる。



なんとサムライによく似た見た目の男のヘルメットの登頂部には稲妻を思わせるようなV字型のゴールドカラーの飾り、後頭部には4段重ねの鉄板をつけてる。



戦国武将たちが決戦の時などに首まわりやうなじなどを守るために施された、しころという兜の防御対策の1つだ。



さすがに今どきではわざわざ作る必要もないし、しかもアイツどう見ても鎧装束の職人には思えないし…。


まああとは肩にデスノートのあの悪魔キャラみたいな鉄板を溶接したらしく3段のプロテクターをあしらったり、黒の革製ライダースジャケットに革パンツとブーツはいてる。手足にもつけられるだけ膝あてや肘あてを仕込んでる。



そんなサムライ男は鈴木重工で発売されてるバイク、GSX1100Sカタナ



(以下カタナね)



にまたがったまま両腕を組んでヘルメット集団を見据えてる。あまりにバケモノじみた男を見たヤツらはあわてて口々に



「誰だよコイツ!?」 「サムライダーだ!」 「ああ!?なんだそりゃ」



「ここいらで最近お巡りや族とジャレあってるチンピラ野郎よ!」



そう聞いたサムライはあたりと言いたげなニヤリと不敵な笑みを浮かべた。よくみるとライトに照らされた男の左目には縦にまっすぐな傷あとがうっすらと見えた。



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