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サムライダー

第2章 ミオside

ほんとうは執事やメイドたちと一緒に合気道を習ってるから悪ガキどもも怖くないはずなんだけど…。


はっきりいってなんにも防御するのがないようじゃあ武装したヤツらにかなうわけないし…。おまけに実践的には無経験ときてる。


いくら稽古をしてきたとしてもしょせんは安心感のある環境とおなじみのメンバーたちとだけでの話だ。いきなり自分ひとりで勇ましく悪ガキの群れに挑むなんて無謀だと思い知らされた…。



だから木の陰に隠れるしかなかった。仕方なく成り行きを見てた。そしたら車に取り残された若い20代ぐらいの女性が数台のバイク集団に囲まれてた。


いくつかまでは悪ガキどもの歳はわからないけど。なんとなく10代みたいに思えた。バイク集団は車のまわりをぐるぐると何周もしていて獲物をとらえて興奮してるようだ。


「いくぜぇ子猫ちゃん」


スカルのヘルメットをかぶった悪ガキの1人がチェーンソーを振りかざしながら車の上に乗り上がって切り刻みはじめた。


ヴオオオオオオオ


ギィィィィィィ


金属の切り裂かれる音に女性はなすすべもなく助手席のすみに胎児のように丸く縮こまって泣き叫んでる。


「やめてェェェ!」


ガガガガガガガガ
ドカッ



調子に乗った悪ガキ数人はヤレる女に飢えてるんだろうな。車のドアを開けて群がろうと手をかけた、と思ったら


オオオオ オオオオオオ ドドドドド

ギュン!



チェーンソーのエンストでスカルのヘルメット男の気が抜けたようだ。



「もういい、それよりはやくやっちまおう」



リーダーらしい男が仲間に声をかけたその瞬間


ドドドドドドドドド



「誰か来たぞ!」



ドドドドド キッ!



悪ガキの一味ではないとある1台のバイクがあたりの騒がしい様子に興味をもったようだった。


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