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サムライダー

第1章 グチ

沢村は一見硬派で成績優秀、体育も万能な優等生タイプで7㎝くらいのスポーツ刈りの髪を逆立ててる。顔はシブい系なちょいイケメン。ただサッカーとかでは1人で先走るしオンナに告白するのも早いほうだった。



「なあ田村よお」



好奇心旺盛なのがニヤケたツラで聞いてきた。



「…ああ…?」



「そのオンナどんなんだ?」


「おおーぜひ見てえな」


「写真とかねえの?」



…だからコイツらバカだってんだよ、あの状況で撮れるどころじゃねえよ。だいいちあれきり会ってねえしよ。


読んでる人は令和の今どきだが、スマホどころかガラケーもねえような昭和の当時で撮れるかよ。写るンですなんて商品名の小さなサイズのカメラ(撮った写真がその場で出てくるんだよ〜当時は画期的だったの)が若いヤツらの間ではやったり、通話できるだけのケータイがあったけどな。それでも便利な頃だったしファックスが普及した当初は


「離れた場所からでも連絡や道の説明などがしやすい」


ともてはやされた頃だぜ。カメラで撮ったフィルムを現像してもらいに店に持ち込むのが当時は普通だった。だからエロい写真とかの見せたくないのは現像できる友人とかにしか頼めなかった。


「あー、ねえな」


「沢村に聞けば?同じ区域だろうしよ」



「どんなのだか見ものだぜ」


「ざけんな!ぜってえゴメンだ」



何が楽しくてだよ、テメエらよお。そこまでひどくなかったぞ。…アイツ見た目は背が小さいほうで細い体だったな。胸が大きいほう、黒髪のセミロングだったな。顔は色白でなかなかキレイだった。すぐ真っ赤になってたけどコイツらにはぜってー教えねえ。



…どうせコイツら口々に



「なんだよ、カワイイじゃんかよお!?」


「オマエだまされてね?」


「このコの友だち紹介してくれよ、なっなっ」



に決まってんだしな。ミオの感じだとだますよりだまされそうな気がする。なんか人がいいのと一生懸命ぽいのだけは伝わってきた。



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