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触って、七瀬。ー青い冬ー

第21章 湖上の雫


耐えるしか、ない…
だって痴漢をされたと言うこと自体人に言えないのに、自分が女装しているなんてもっと言えない

言えないんじゃなくて、言いたくない

男の鞄が股間に触れた

「…っ!」

手が触れたのではなく、鞄が触れたのだ

しかしその鞄の角で、股を前後に擦っている

のぼせている頭もだんだん、頭痛を伴い始める

ただ一つわかっているのはこれが不快な行為だということ

僕が何も言わないのを良いことに、
今度は手の甲が尻に当てられる

「何才?」

手がスカートの中に忍び込み
太股の横を撫でる

「男の子だよね」

あれ。声は…割と好み…
ってそういう問題じゃ。

こいつ男ってわかって触ってるのか

「こんな格好して、誘ってるの?
シャツ、避けてるよ」

言われて見ると、【胸は大きい方が】と言われて付けさせられたブラジャーの柄がシャツ越しにほんの少しだけ見える

…これは、気がつかなかった
多分今まで暗いところにいたからだろうな

一気に下着を見られていたことに恥ずかしくなった

「気をつけないと。ホックも見えてるよ」

背中に指が当たり、下へなぞられる

かり、と音がしたのはホックに指が当たったから

「ほら、こうやって服の上からでも外せるよ?」

「っ…や、め」

「あ、声、意外と低いんだ」

男の手はスカートの中にすべり、
パンツの上から尻の割れ目をなぞる

「っ…ぁ、!」

膝が折れて手すりを咄嗟に掴んだ
体が自分のものじゃなく
重い人形になったようだ

「どうしたの?あ…もしかしてここ、
もう【開発】されちゃってるの?」

かり、かり
指先が穴に引っかかるように擦る

「い…うぁ、あ…?」

ぞわ、ぞわって悪寒が走るみたいに
ゾクゾクする波が背中を駆け巡る

「かわいい声だね。ここ弄られるの気持ちいいんだ…えっちだなあ」

男の手はパンツに手をかけて下ろした

「前も、苦しい?触ってあげる」

前に手が回って、勃起していたそれは
ぬるりと滑って擦られる

「らっ…んぅ、はぁっ」

な、なんでもうこんなに

「気持ちいい?」

先端から漏れた透明な液を指先ですくい、
それを全体に塗り広げられてローションみたいに
ぬるぬるになっていく

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