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本気になんかならない

第19章 中秋

「…どの曲?」

「Fly Me To The Moon」

北里がいた席に移って
その楽譜をしばし読む。

ああ、これは
帆澄が好きでよく聴いてたな。

マスターに了承をもらった北里が
俺をつかんで誘導する。

ピアノ椅子に俺がかけると
北里も急ぎ、テナーをかまえた。



私を月まで連れていって
星の狭間で遊ばせて

それってね
言いかえるなら、本気になって

つまりね私、あなたのことを愛してる

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