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本気になんかならない

第20章 リンドウの咲く季節

俺が質問を重ねようとしたとき、ガラッとドアが開く。
キャーとつんざく悲鳴がして、その先頭に立っていた副部長の声が。

「ふたりともっ!
部内ケンカはご法度です!
それに、宮石君…何その乱れぐあい…写真撮っていい?

…ってか!何よ!壁のここだけ真っ白じゃない!
ほかが汚いのがさらに目立っちゃうでしょう?
ったく、男子に任せるとこれだからっ!」

それに答えたのは、
以前バカ男子と揶揄されたうちのひとり。

「いっそがしいヤツだな、お前は。
結局、何が言いたいんだよ?」

「全部よ!わかるでしょ?
はい。その棚、ここに移動っ!」

俺たちが磨きあげたキレイな壁は、その一部だけもとある色を取りもどしたのに、隠すように棚を配置されてしまった。

立ちあがった部長はというと、
普段と同じように朗らかで

「悪い、冗談が過ぎた。
可愛い彼女のいるお前のことがうらやましくてね」

そう言って、俺に手を差しのべて起こし、副部長に命じられるまま片付けにとりかかった。

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