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本気になんかならない

第22章 カラーレス

だってそれって自分を持たないってことだろ?
特技になるわけないじゃない?

でも、何色にも染まると言われても
どういうことなのかよくわからない。

そういえば最近、自分への評価を聞いたな。。
そう思いだして、彼に尋ねた。

「器用貧乏なのは色がないってこと?」

「誰かに言われたの?…ふうん。
そうだな。
お前って何かに打ちこんだことある?
いつも爽やかに済ませてない?」

「そんなことないと思うけど」

弓道も柔道も汗水流したし、勉強だってそれなりに。

「なまじ何でもできるもんだからさ、執着てのが薄いなーって感じる。
バイオリンだってもっと取りくめば、上にいけるだろうに。
俺はこの辺でいいんだ的な悟りってゆーかさ」

バイオリン?
それが本当にしたいことなら、
必死になるだろうけど。
親が音楽関係なだけに俺は、その分野に力を入れようとは思えない。

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