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本気になんかならない

第22章 カラーレス

俺はもう、解脱したけれど
きょうだいたちは親の活躍を誇りに思う一方で、寂しさを抱いてる。

自分が病気で傍にいてほしいときに
親は仕事で不在なんて、それも何日も会えないなんて

俺はそんな思いを子どもにさせたくはないから。

…子どもなんて、というか
俺は一生、結婚なんてできないかもだけど。。

家族のためにする仕事で、家族を犠牲にしたくはない。
甘えなのかもしれないけど、それは俺の理想で。。

そんなことを思う俺って、色を持ってるってことにならないのかなあ。
もっちーは気づいてないけど、
俺ってすごくどす黒い人間なんだけどなあ。

それを隠しているだけなんだよ?

「奥の奥はコールタール以上にねちこいよ?」

そう言うと彼は、「わかってねぇ」と
吹きだすように笑った。

わかってないのはどっちだよ?

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