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本気になんかならない

第25章 春雷

「宮石君。あそこで乾かそう?」

…そうは言うけどさ。

「小浜さん。家はどこ?」

「…ここからだと1時間半以上。いいよ、私
友だちの家に泊まるかもって言ってきてるし。
こんなんで電車に乗りたくないし」

そんなこと言いだす?

うーん。別々の部屋ならそれもありか。
2部屋空いてるかな?
"ご休憩"でも、まだ終電には間にあうはずだし。

そう思う俺に

「宮石君となら怖くないから。
今日で会えなくなるから…
逆に、」

って、ふたたびの稲光に
キュッと俺の腕に身を寄せる。

そんな小浜さんに、俺はかたまる。

怖くないって…何が?

雷だよな?それか、お化けとか?
それに、"逆に"の続きって。。

と動揺の俺にかすかに入る声

「逆に、嬉しい。。」

いやいやいや。
小浜さん、キミは何もわかってないっ!

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