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本気になんかならない

第32章 クリスマス会

何を話しているんだろう…

気になりつつも、動けないでいる俺の背後から声がした。

「あらあら、大人気ねぇ。
みんなぁ。このお兄さんは、おとなりの園にいるからまた、遊びに来てもらおうね」

「はあい!」

その人は、先ほどのベテラントナカイさんだった。
正体がバレることもなく、普段のペースで子どもたちに接する。

「まあ、いいお返事。じゃあ、いくよ?
お空のサンタさんに届くくらいの元気な声で、さようなら、はいっ」

「さようならっ!」

促された子どもたちは、声をそろえて別れの挨拶をし、おのおのの保護者のもとへ駆けていった。

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