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本気になんかならない

第36章 夜は恋蛍

その年のクリスマス。
一緒に過ごせたのは一瞬だったけど、来てくれたのはうれしかった。

身体がめあてじゃなくて、プレゼントを渡すために来てくれたことがうれしかった。

未だに呼ぶのは苗字で、指名すれば会いに来るとか、私専属とか、口では言うけど。

なんだか照れ隠しのように聞こえて。

私、ちゃんと、彼の恋人になれてる気がして。
年甲斐もなくときめいた。

私が彼に渡したのは、鍵。
シャイな彼は最後まで、使ってはくれなかったけど。

そして、彼から誘われた誕生日。
喜び勇んだ私は、早くに待ちあわせ場所へ。

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